「収入が下がるが転職したい」「退職金をどう扱えばいい?」「休職中の生活費が不安」働き方が変わるとき、お金の前提も一緒に動きます。実際の相談事例をご紹介します。
今の職場を離れたいと思っていて、内定はもらえたのですが年収が下がります。住宅ローンも教育費もあるので、受けていいものか判断できません。
「下がるかどうか」ではなく、「下がった水準で、この先の支出をまかなえるか」が判断すべき問いです。年収の差額だけを見て悩んでも結論は出ません。
具体的には、住宅ローンの残りの返済額、教育費が今後いつどれだけ増えるか、老後に向けた積立をどうするか。これらを時系列に並べて、新しい年収で回るかどうかを確認します。回るなら受けていい判断材料になりますし、回らないなら「いくらまでなら下げられるか」という交渉の基準ができます。
見落とされやすいのが、年収以外の変化です。退職金や企業年金の制度、社会保険の内容、通勤にかかる費用と時間。額面の差より、これらの合計で見たほうが実態に近くなります。
転職の際に退職金を受け取りました。今まで扱ったことのない金額で、どうすればいいのか分かりません。金融機関からは運用を勧められていますが、判断がつきません。
まとまった資金が入ったときにやってはいけないのが、使い道を決める前に運用の話から入ることです。順番が逆になると、必要なときに引き出せない形に置いてしまうことがあります。
先に決めるべきは、①今後数年で確実に必要になる支出(教育費、住宅の修繕、車の買い替えなど) ②生活防衛として手元に残す現金 の2つです。この2つを差し引いた残りが、はじめて長期の運用を検討できる部分になります。
また、退職金には税制上の特別な扱いがあり、受け取り方によって手取りが変わる場合があります。一時金として受け取るか年金形式かを選べる制度もあります。該当する場合は、選択の前に確認してください。具体的な税額の計算は税理士の領域です。
金融機関からの提案は、その機関が扱う商品の中からのものです。比較検討の相手を一つに絞らないことをおすすめします。
体調を崩して休職することになりました。収入がどうなるのか、どんな制度が使えるのか分からず不安です。何から確認すればいいでしょうか。
まず体調の回復が最優先です。そのうえで、お金の不安が回復の妨げにならないよう、使える制度を確認しておきましょう。
確認すべき窓口は3つあります。①勤務先(休職中の給与の扱い、社会保険料の負担方法、傷病手当金の申請手続き) ②加入している健康保険(傷病手当金の要件と申請方法) ③加入中の保険(医療保険や就業不能保障の請求対象になるか)。
とくに見落とされやすいのが、休職中も社会保険料の自己負担分は発生するという点です。給与から天引きできないため、別途支払う形になることがあります。金額と支払方法を勤務先に確認してください。
支出側では、固定費を一時的に下げられないかを検討します。住宅ローンの返済条件の相談、保険料の払込みに関する制度など、契約先に相談することで調整できる場合があります。滞納してから動くより、事前に相談したほうが選択肢が残ります。
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